2013年5月5日日曜日

所謂「親父マシン」に対する解釈と弁解について


■ はじめに
・まず最初にお断りします。長いです。しかもまとまっていません。
・賛否両論あるでしょうが、ここでは受け付けません(逃げます(w)。
・この話題は出来れば触れたくないのです。でも、どこかで態度を表明しておく必要があると思い、書くことにしました。
・これから垂れ流すテキストは、あくまでも私の思考・行動であり、他の方にあれこれ申すものでは無いことを申し添えておきます。
・うまくまとまらないので箇条書きにしているところがあります。

■ 「親マシン」の定義について
まず一つずつ整理しましょう。
 「大人(親)が作ったマシン」
定義が広すぎますね。もうちょっと絞りましょう。
 「大人(親)が作ったマシンを以て、子供がジュニアクラスに出場している状態」
まだ定義が広い。大人が作ったマシン=速いとは限らないし、素組かもしれませんから。
では次はどうでしょうか。
 「大人(親)がオープンクラスで勝利すべく作成されたマシンを以て、子供がジュニアクラスに出場している状態」
これが私の感覚に近そうです。以降、これを「親マシン」と呼ぶことにします。単に「親が作ったマシン」を指すのではなく、そういう状態を指すことにします。
また親には父親と母親があり、中には「母親マシン」も存在するのかもしれませんが、数としては少数派だと考えられます。よって、親マシンはすなわち「親父マシン」と言えるのではないかと思います。

 ■ 子供達の気持ちは?
・「ジュニアクラスであれはずるい」という意見があります。小学生の努力や工夫の範囲を大きく超えたマシンが出てきますからね。
・すべての子供たちがそう思っているのかどうかは、わかりません。

■ 親はどう思う
私見ですが、
 ・オープンクラスに、子供が「親マシン」で出るのは大いに結構。お互い本気でよろしい。
 ・ジュニアクラスに「親マシン」は禁じ手。親が組むならば、勝ちに行くな。本気になるな。

と考えています。

■ 解説
・そもそも、初めて公式に行ったときに
  「なんで子供の勝負に大人が・・・・」
 と思ったのが最初です。
 #根拠は主観
・子供が「あんなん(親マシン)には勝てへん」とショげていました。
・あとから考えると、「ここから親がどうするか」が大きな分岐点かも。
 
 「ジュニアクラスで勝つべく、親も協力」するやり方。
 「ジュニアクラスにでるなら自分で全てをやるべし」として、親は手を出さないやり方。
 
 私は後者を選んだわけです。
・理由は
 ・子供の勝負に大人は口出さない
 ・子供には自分で考えてプラモが組めるようになってほしい
 と思っているからです。
・ただ、この選択肢、思った以上に大変でした。理由は以下のとおり。
・子供にやらせると、とにかくまどろっこしい。
 自分ならちょいちょいと出来る作業が全く出来ない。
 教えていないんだから、出来なくて当たり前。
 練習してないんだから、出来なくて当たり前。

 当たり前といえば当たり前なんですが、それにしてもまどろっこしい。この「まどろっこさ」に降参して、子供のマシンに手を出す人がいるだろと思います。
・我がチームでは基本的に、子供のマシンに私(大人)は手を入れません。
 ただし例外もあります。その辺りの考え方は後ほど述べます。
 そもそも「親マシン」が気になるのにのは、我がチームの成り立ちに関係します。

■ 私の場合
・長男がミニ四駆を初めてしばらくは、私は横で見てただけでした。そのとき感じたのは、
 ・自分(親)が組んだ方が手っ取り早い場面が多い
 ということです。
・子供はちゃんと組めないし、改造したら失敗ばかりだし、そのくせパーツ欲しがるわで、どうしようもなかった。私は「これではいかん」と、少なくともプラモはちゃんと組めるようにしなけりゃならんと思い、私もミニ四駆をすることにしたのです。

・まずはキットの組み方、グリスの付け具合、タイヤのハメ方、シャフトの入れ方等々を
 ・自分(親)のマシンでやってみせる
 ・子供のマシンでやらせてみる
 を繰り返しました。

・でも失敗、失敗。また失敗。
 だいたいグリスは出し過ぎ。グリスを拭くとかえってあちこちグリスだらけ。
 グリスだらけの指であちこち触るからシャーシがテカテカだし、金具も油まみれ。
 はめ込みが真っ直ぐ出来ないから、ホイールにシャフトが真っ直ぐ入らない。ホイールも歪む。

・次はローラーとかプレートとか、ねじの締め方(押し回し)とか、脱脂の方法を
 ・自分(親)のマシンでやってみせる
 ・子供のマシンでやらせてみる
 を繰り返す。

・これも上手くいかない。失敗の連続。ねじはナメるは締めすぎるわ。ねじが締まってる/締まってないの感覚をつかむのは相当難しい。何台シャシーをダメにしたことか。
・ちなみに3男(小2)は、FRPをシャーシに止めてローラーつけるのに1時間かかりました。
・何回も駄目出しをしなければならない、ということは結構時間がかかる。
 感覚的には「10教えて2できる」の繰り返しです。
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・次はレース。
 最初の半年は本当に「走らせるだけ」。勝てるわけないです。
・しかし、子供は常連さん(大人)にセッティング聞いたりして、いろんな知識を持って帰ってきた。
 私は私で常連さんからいろいろ教えて貰いました。
 で、家に帰って情報交換。
  「あの人はこうしてたって」
  「あの人はああだと言っていたぞ」
 それで各々がセッティングを繰り返す。
・しかし子供は失敗します。どうやったら出来るのか聞いてきます。
・難しい作業が多いから私がやった方が速い。でもガマン。子供にやらせる。
・作業は遅々として進まない。子供投げだしがち。でもやらせる。
・ヤスリの使い方はこう、カッターの使い方はこう、直角に削るときはこうする、これはクリアランスがある状態、これはキツすぎる状態、やって、見せて解らせる。
・慣らしの前はこういう音、慣らし終わるとこういう音。この音はギヤが欠けてる音、欠けてないときはこういう音。タイヤとホイールがブレるとこういう回り方、ブレてないとこういう回り方。
 これだけでも小一時間かかる。
・正直面倒くさかった。もうやったるわ、と思うときもありました。でもガマン。粘り強く教えるしかないのです。
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・レースでは「スタートまであと10分!」ってときに、せっかく組んだのをばらし始めたりする。本人は試走して、 こうした方がイイと思ってセッティング変えようとしてるんですが。
 でも到底10分で組めるわけがない。間に合わせるには私が手伝うしかないけれど・・・・手伝わなかった。
・時間迫る→子供焦る→作業ミスする→時間迫る→子供焦る→作業ミスする→・・・・間に合わず。
 まあ子供は泣くわけです。レースに出られないんだったらなにしに来たんだって思うわけです。
 こっちだってわざわざ小一時間掛けて来たのに、なんでこんなことになるんだって思うわけで。でも「限られた時間のなかでベストに持って行くには時間配分もよーく考えなきゃならん」って言い聞かせました。
・こういうの、割としんどかったです。趣味なのに何してんだかって思うから。
 

■ 強くなるには試練が必要?
 しかしまあそこに所謂「親マシン」(と思われるマシン)が出てくると敵うわけがなく、
 「なんで子供の勝負に大人が・・・・」と思ってしまったのです。
 子供曰く、「あんなん(親マシン)には勝てへん」とショボけていました。
 悔しさを我慢している子供見るのは辛かった。でも手は出さないと決めた。
 そういう「もんもん」とした状態で試行錯誤してると、勝星ががちょっとずつ出てくる。

  最初は完走もできなかった。
  たまに予選で勝つことができるようになった。
  たまに予選勝ち抜けできるようになってきた。
  だんだん予選勝ち抜けが普通になってきた。
  たまに3位とかに入るようになってきた。

 
 そして大人ですら簡単に勝たせてもらえないレベル、ショップ大会のオープンクラスで優勝するレベルになってくる。
 やっぱり自分で作業させると「強く」なると思うんですよ。「速く」じゃなくて「強く」なるんです。

 多分親マシンで出場させちゃう親御さんは、いろんな理由で途中のガマンができなかったんじゃないかなあ、と思うのです。本人もさることながら、子供さんが小さいときは特に両方ともガマンが利かないですし。
 一度ガマンの閾値を下げると、戻すに戻せないし。

■ 我慢比べ 
・子供が小さいと、大人の理想通りには行かない事が多いです。
・私の所も長男(小5)と三男(幼稚園児)【当時】は技術的にも精神的にも同じようには扱えなかったです。幼稚園児から小学3年程度にはミニ四駆のレースは、いろんな意味で難しい遊びなのだと思うのです。本人が面白いと感じているかはどうかは別に、兄弟と一緒にミニ四駆の場にきたのなら、とりあえず遊びたい気持ちが先にでるのでしょう。
・そういう年頃の子供と時間を過ごすには、親父がマシンを組んで、参加させてあげなきゃな、と思うのです。
・ということでほぼ素組のマシンで三男はレースに出場させたことがあります。
・そんな私が思うのは最初の方に書きましたように、
 ・オープンクラスに、子供が親マシンで出るのは大いに結構。お互い本気でよろしい。
 ・ジュニアクラスに「親マシン」は禁じ手。親が組むならば、勝ちに行くな。本気になるな。

ということです。

■ まとめ
せめてジュニアクラスは「子供たちがレースを楽しめる」ようにしましょうよ。そこは大人の勝負の価値観を持ち込む場所じゃない。親マシンが出てきたら、「勝ち負け」しか価値がなくなってしまうでしょう。なにして勝ってもええやんか、という価値観に支配されてしまいます。
大人の世界でも周りと違う前提条件で成果を上げる人がいると、周りの士気が下がるっていいますから。

子供の世界にこういう価値観を持ち込むのは世知辛いなあ、と思うのです。
でも、なくなることはない。いろんな都合、いろんな事情で。

なので私は自分の子供達にこう言いましょう。

小学生が本気親マシンに勝つのは相当難しい。
でも、いろんなことを考えてあらゆる手を尽くして自分のベストを出した結果「負けた」ならば、
その苦い経験はいつか男としてプラスになる時がくるだろう。
そして「勝った」という経験をしたならば、それは強烈な印象と共に絶大な自信として君等に宿る。
父は持てる知識と技術を全て教えよう。ただし、絶対に手は出さない。自分でやるように。

世界最小のモータースポーツ、私は相当アツいとおもっているのですが。

2013-0708 追記
熟考すると最初に「なんで子供の勝負に大人が・・・・」と思ったことに「確証」はないですわ。
ただ、可能性は「0」ではないにしても、小学校低学年くらいの子が大人より高い工作技術と理論を持つことは、そうそうある話ではないと思うんです。
可能性の「ある/なし」の話じゃなくて、実際の話として。

2013-0718 追記
道具や材料を持っていることと、それらを使って正確に組み上げられることは、別の話。

2015-01-09
少し整理したものを書きました。
2015-01-09 俺と親父マシン

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